日本語能力試験

四号機のパイロットがアスカに?日本語能力試験のリスニング問題とされるものがアップロードされる


先日行われた「日本語能力試験」の1級聴解にアニメのような題材の問題が出題されたとのことです。
日本語能力試験は来年から形式が変わるということで、ついやってしまったのでしょうか。それともアニメや漫画から日本語に興味を持つ学習者のニーズをまじめにとらえたのか・・・。聴解問題のネタが尽きてしまって半分冗談のつもりで作った問題が採用されてしまったということでしょうか・・・。

Gigazineによるとスクリプトは以下の通り。

「隊長、第二次防衛線が突破されました!巨大怪獣はまっすぐ中央管理システムに向かってます!このままではあと30分も持ちません」
「今出せるモビルファイターは?」
「零号機だけです」
「やむを得ん、四号機を出すぞ」
「四号機はまだテストが完了していません!それに操縦できるパイロットが現在誰も...」
「零号機では奴の侵入は防ぎきれん。ここは...私が行く」
「隊長みずから!?でもそのケガでは、四号機の加速に耐えられません!」
「私が行きます!」
「アスカ!」
「私なら四号機を操れます!お願いです、行かせてください!」
「だがお前はまだ訓練中の身だ。今は子供の出る幕じゃないぞ!」
「そんなこと言ってる場合じゃない!」
「おい、アスカ!待て!」

(ナレーション)四号機発射準備、完了しました

「アスカ、頼んだぞ...!」


2010年から始まる新しい日本語能力試験
前回の記事では「読解」「文法」分野での新形式の問題についてご紹介しました。
今回は従来より大きな割合になる「聴解」について例題をみながら確認してみましょう。

【聴解】
従来は「絵がある問題」「絵がない問題」という2種類の形式が出題されていました。
新試験は「絵がある、ない」という分け方ではなくなるようです。

その中で、今までにない形式の問題と大きく形式が変わる問題についてご紹介します。

~質問文が事前に流れない問題がある~
・概要理解の問題~まとまりのあるテキストを聞いて、内容が理解できるかどうかを問う(テキスト全体から話者の意図や主張などが理解できるか

現行は、それぞれの問題ごとに

 ・状況説明が流れる
     ↓
 ・質問文が流れる
     ↓
 ・まとまりのある会話・説明等が流れる
     ↓
 ・質問文がもう一度流れる

という流れになっています。
新しい日本語能力試験にも同じ形式の問題は残っています。(ポイント理解の問題等)しかし、
新試験のうち、「概要理解」の問題は、

 ・状況説明が流れる
     ↓
 ・まとまりのある会話・説明等が流れる
     ↓
 ・質問文が流れる

というように、事前に質問文が流れません。場面や状況が簡単に示されるだけです。旧日本語能力試験ではこの事前の質問文を聞いて、どのポイントに注意して聞けばいいか頭の準備ができたわけですが、これからは必ずしもそれではうまくいきません。
しかし、逆に言えば、最初に質問がない問題は会話・説明の全体としてどんな内容かを把握できるよう注意して聞けばいいということになります。
出題前に「まず質問を聞いてください」ではなく「まず話を聞いてください」とあったらこの「概要理解」の問題ということになるようです。

例題を見てみましょう。

【N1】

-大学の先生が話しています。

M:
 今日は最初の授業なので、授業内容について簡単に説明します。えー、犬の祖先は、今の犬とは、外見だけではなく、習性もずいぶん違っていました。ちょっと例をあげてみますと、進化の結果、犬は、よくほえるようになりましたが、犬の祖先はめったにほえませんでした。これはですね、人間の都合によって、ほえる犬が選択されたためです。それから、進化の過程で形を変えた動物もいます。ある鳥は、細長い花のような蜜を吸うために、くちばしが以上に長くなりました。あと、住む環境に合わせて、形を変化させた物もいますね。えー、この授業では、こういう現象をみていきたいと思います。

-この授業で取り上げる内容はどのようなことですか。
 1.動物の種類
 2.動物の住む環境
 3.動物の進化
 4.動物と人間の関係
 
 
【N2】

-テレビでアナウンサーが通信販売に関する調査の結果を話しています。

F:
 皆さん、通信販売を利用されたことがありますか。買い物をするときは店に行って、自分の目で確かめてからしか買わないと言っていた人も、最近この方法を利用するようになってきたそうです。10代から80代までの人の調査をしたところ、「忙しくて買いに行く時間がない」「お茶を飲みながらゆっくりと買い物ができる」「子どもを育てながら、働いているので、毎日の生活になくてはならない」など多くの意見が出されました。これからもますます利用者が増えていきそうです。

-通信販売の何についての調査ですか。
 1.利用者数
 2.買える品物の種類
 3.利用方法
 4.利用する理由

※実際には上記はすべて音声として流れます。

スクリプトを読めば、これらの問題が文字通り「概要」を問うていることがわかります。

この「概要理解」の問題は、形式は変化していますが従来からあった問題です。既に数多くの問題集などが販売されていますのでそれを使って十分練習することが可能です。

~相手の発言に対してどう答える?~
・即時応答~短い発話を聞いて、適切な応答が選択できるか

新しい日本語能力試験では「即時応答」という形式が加わります。ある発言や質問に対して、どう答えるのが適切(自然)かを問う問題です。
まずは例題を見てみましょう。

【N1】
M: あーあ、今日は、お客さんからの苦情が多くて、仕事にならなかったよ。
F:
  1.いい仕事、できてよかったね。
  2.仕事、なくて大変だったね。
  3.お疲れ様、ゆっくり休んで。

【N2】
M: あれ、佐藤さんって、今日、お休みだっけ?
F:
  1.ええ、とても楽しかったです。
  2.はい、昨日休みでした。
  3.あ、午後からの出勤だそうです。

上記はすべて音声で流れます。問題用紙には絵も文字も一切書かれていません。
また上でご紹介した「概要理解」の問題は事前に状況説明があるだけで質問文は流れないものですが、この「即時応答」は状況説明すらありません。問題番号の後でいきなり発話がスタートします。いつまでも前の問題の答えを考えているとどんどん置いていかれてしまいます。まさに「即時」の応答が試される問題です。

ちなみに、この形式のみ選択肢は3つのようです。

また、この形式の問題は出題数が多めになっているようです。
(N1の場合:37問中14問)
ただし点数的に全体に占める割合は不明です。また、実際の問題数は発表の数値と変わる場合もあります。

新しい日本語能力試験では「文法」より「聴解」が重視されています。
その聴解の中でも「即時応答」はしっかりと対策をしておく必要がありそうです。
特に、主に日本以外で日本語の勉強を続けてきてあまり日本語のコミュニケーションをとってこなかった学習者にとっては苦戦が予想されます。
新しい日本語能力試験も従来と同様「会話」の試験はありません。その代わりにこの「即時応答」問題が新設されたという意味かもしれません。

日本以外に住んでいて日本語のコミュニケーションを取る機会はなかなか得られませんが、「日本語で話す」ということもこれからは日本語能力試験対策として重要になってくると思われます。

※例題はすべて『新しい「日本語能力試験」問題例集』より。。
http://www.jlpt.jp/j/about/new-jlpt.html
2010年から始まる新しい日本語能力試験。
今までない新しいタイプの問題も含まれるようですが、具体的にどのような形式なのでしょうか。例題をみながら確認してみましょう。

~文の組み立て問題に注意~【文法】

「文法」の分野で今までにない種類の問題は2つです。
・文の組み立て問題~正しく、意味が通る文を組み立てることができるか
・文章の文法の問題~文章の流れにあった文かどうかを判断することができるか

このうち、「文の組み立て問題」とは例えば次のような問題です。

【N2】
田中選手が今シーズン         ★               のニュースを見て驚いた。
1 彼のけが         2 活躍するのを
3 楽しみに待っていた  4 だけに

ことばを並び替えて正しい文にする問題です。
文を作る能力が必要です。
ふだんから文型を理解するだけではなく、実際に文を作ってみたり、多くの例文を読んでその文型の典型的使い方を知っておいたりすることが大切です。

~二つの問題を読み比べる形式が登場~【読解】

「読解」の分野には「統合理解」の問題が新たに設定されます。
これは、内容的に関連がある複数のテキストを読み比べて、比較・統合をしながら理解できるかを問う問題です。

 具体的な例題についてはhttp://www.jlpt.jp/j/about/new-jlpt.html を見ていただきたいのですが、ふだんの練習としては同じようなトピックの別々の文章を「似ている点」「違っている点」に注意して読むことで、力がつくのではないかと思います。新聞の読み比べの練習もおもしろいかもしれません。

また、「情報検索~広告、パンフレット、情報誌、ビジネス文書などの情報素材の中から必要な情報を探し出すことができるか」という、スキャニングの力を試す問題も新たに出題されます。

次回は「聴解」の新形式の問題をご紹介します。

※例題は『新しい「日本語能力試験」問題例集』より。
http://www.jlpt.jp/j/about/new-jlpt.html

2010年から始まる新しい日本語能力試験について、前回の記事ではどう変わるかを見てきました。では、受験者はどう対応すればいいのでしょうか。

「知識」を入れることだけではなく、「使える日本語」の習得を目指そう!

★運用力重視へ
文字・語彙・文法」が全得点に占める割合は従来よりも減っています。
現行(1級):約43%(文字・語彙と文法を合わせて)
 ↓
新試験(N1):33%(文字・語彙・文法)

逆に「聴解」の割合が増えています。
現行(1級):25%
 ↓
新試験(N1):33%

ちなみに「読解」はやや増えています。
現行(1級):32%(2008年度)
 ↓
新試験(N1):33%

現行(2級):31%(2008年度)
 ↓
新試験(N2):33%

新しい日本語能力試験は「得点等化」が行われるため、単純に比較はできませんが、問題数から推測すると「漢字」問題の割合がかなり減るかもしれません。
(現行1級:11%程度→新N1:2%??)
今まで「漢字」問題で得点を稼いできた漢字圏受験者は要注意です。

また、「文法」についても問題数、全体に占める割合、ともに減ることが予想されます。
(現行1級:18%程度→新N1:14%??)

主に1級とN1について比較してきましたが、2級とN2についても傾向は同様です。

このことから文字・語彙・文法の知識ではなく「聴解」「読解」の力が重視されているという特徴が浮かび上がります。


文法問題については単なる知識を問う問題だけではなく、文を作る形式や長い文章の中での文型を問う形式が加わっています。

しかし、「漢字」や「文法」の割合が減っているから漢字や文型をあまり覚えなくてもいいかというと、そういうわけでもありません。

運用のための基礎力として漢字力、語彙力、文法力は従来通り必要です。
それに加えて限られた時間で読み取る能力、説明や会話を聞き取る力が試されるということでしょう。


★作文能力も重視
作文問題は出題されませんが、「文の並び替え」など文を作成する力を試す問題が出題されます。学習者は、良質の例文に多くふれた上で、文を実際に作ってみる練習が今まで以上に重要になると思われます。

★時間配分に注意!
従来は「文字・語彙」で○分、「読解・文法」○分という分け方でした。
新試験は「文字・語彙・文法・読解」すべて合わせて110分です。(1級の場合)

この110分の時間配分を間違えると、今まで以上に大きな影響が出てしまいます。

特に非漢字圏受験者は語彙や漢字の問題に時間を取られすぎてしまうと
読解をやる時間が足りなくなってしまう可能性もあります。


★苦手科目を克服しよう

新しい日本語能力試験では、各科目に「基準点」が設定されます。それより低い場合は合計得点が高くても不合格になります。今までは「聴解」が低くても「文字語彙」「読解文法」で点を取れば合格!ということがあったのですが、これからはある科目があまりにも低い場合は不合格になってしまいます。この「基準点」が何点になるかはまだ発表されていません。


以上のことを考えると、「実際に使える日本語」を習得することが、合格のためにはかなり重要になってくると思われます。

数多くの語彙や文型を短期間に詰め込んでいくよりも

・良い例文に触れる

・良い文章に触れる

・自分で実際に文を書いてみる

という練習をていねいにしていくことが大切です。



合格への近道なんてありません。

2010年から日本語能力試験が変わります!
新しい日本語能力試験はどのようなものなのでしょうか?
何がどのように変わるのでしょうか?
合格への近道はあるのでしょうか?

http://www.jees.or.jp/jlpt/で「日本語能力試験ガイドブック」や「新しい日本語能力試験問題例集」がダウンロードできるようになっていますが、この中から気になる情報を挙げていきたいと思います。

新しい日本語能力試験、何が変わるの?


★試験方法は?
  基本的には変わりません。今までと同じようにマークシート式のみです。記述問題や会話試験もありません。また、レベル別の試験によって合格・不合格が判定されるという点も変わりません。

★レベルは?
 呼び方が変わります。(1級→N1、2級→N2)。
 また、従来の2級と3級の間に一つレベルが増えます。

★試験科目は?
 現行は・・・
    ・文字・語彙
    ・聴解
    ・読解・文法
   の3科目ですね。
   
 新試験はレベルによって違うようです。
   
   
レベル 試験科目
N1 言語知識(文字・語彙・文法)・読解 聴解
N2 言語知識(文字・語彙・文法)・読解 聴解
N3 言語知識(文字・語彙) 言語知識(文法)・読解 聴解
N4 言語知識(文字・語彙) 言語知識(文法)・読解 聴解
N5 言語知識(文字・語彙) 言語知識(文法)・読解 聴解
★試験内容は?
 問題形式は少し変わります。今までにない出題方法があります。これについては後日詳しく見ていきたいと思います。
 それでも全体的には一見あまり変わらないように見えますが、実は「知識」重視から「運用力」重視へとシフトされているようです。
   
★実施回数は?
 年2回、7月と12月。(これは既に2009年度から変更されています。)

  では、受験者はこの新しい日本語能力試験にどう対応すればいいのでしょうか。次回はその点について考えてみたいと思います。

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